iPhone&iPadプログラミングBibleについて

iPhoneなどのスマートフォンやiPadなどのタブレット端末のユーザーインターフェースは指のタッチを基本とし、カメラやセンサーを内蔵し、音声認識・音声合成などが簡単に利用できる画期的なコンピュータです。マウス、キーボード、デイスプレイが主なユーザーインタフェースとするパソコンとは大きく異なります。「コンピュータ=パソコン」の時代から「コンピュータ=スマートフォン、タブレット端末」の時代に急速にパラダイムシフトしようとしています。スマートフォンは子供から女性、シニアまでの広い層に渡って、今までのパソコンユーザとは比べ物にならない数のユーザが見込まれます。 Appleが運営するアプリケーションマーケットとしてApp Store(アップストア)があります。2012年6月時点で有料、無料含め65万を超えるアプリケーションが提供されています、App Storeを通して企業だけでなく、一般ユーザが自作のアプリケーションを販売することができる点も今までにない利点です。つまり、ソフト会社の技術者以外にも、学生を中心に一般の人でもiPhone/iPadアプリで商売ができるようになる可能性があり、iPhone/iPadアプリ市場は今後急速に普及すると思います。 iPhone/iPad向けアプリケーションを開発するにはAppleが提供するXcodeという統合開発環境を使用し、Objective-Cというプログラミング言語を使ってプログラムコードを記述します。 本シリーズは、iPhone/iPadアプリを開発するためのテクニックをすべて網羅するように22の章(カテゴリ)に分類し、「上」、「下」の2分冊で構成することにし、本書はその中の「上」です。22の章というのはかなり多い章分けですが、細かく章分けをすることでカテゴリが分かり易く、各章のサイズは小さくなり初心者には、ひとつのまとまった単位がボリュームが少ないので、取りかかり易くなります。また、章の順序ではなく、知りたい章を先に学習することもできます。 既存の書籍やネット上の情報は重要な内容とそうでない情報がまぜこぜになっていたり、このプログラムをどこに書けばいいのかが曖昧だったり、サンプルが長すぎたりなど、初心者には理解しにくい内容が多いです。本シリーズではiPhone/iPadアプリを作る上で必要な技術的要素やテクニックを切り出し短いサンプルを付けて簡潔に提示します。 本書のプログラムはiPhoneを想定したものですが、基本的にはiPadでも使用できます。iPhone/iPad用のプログラムは基本的に同じ方法で記述できますが、両者は画面サイズが異なるため、画面サイズに依存するプログラムは変更が必要になります。また用意するアイコンのサイズも異なります。


iPhone&iPadプログラミングBible【上】(発売中)

iPhone&iPadプログラミングBible【上】

「上」は何らかの言語でプログラム経験はあるが、Objective-CやiPhone/iPadアプリを初めて勉強する人を主な対象とします。iPhone/iPadアプリを作るためには、Objective-Cの知識が必要になります。Objective-Cを本格的に学ぶには別な入門書が必要になりますが、本書ではiPhone/iPadアプリを作りながらObjective-Cも手っ取り早く学べるように工夫してあります。そこでまず、グラフィックスを利用して画面に四角や円、イメージなどを描画するプログラムを例にObjective-Cの基本的な言語仕様について2章で学び、さらに3章で詳しく説明します。iPone/iPadを動かしているOSをiOSと呼びます。iPhone/iPadアプリを作るためには、Objective-Cが持つデータ型だけでなく、iOSが提供する基本データクラスを使う必要があります。これを4章で説明します。iPhone/iPadではボタンやラベルなどのGUI部品をユーザインターフェース要素(UI要素)と呼んでいます。iPhone/iPadで利用できる全てのUI要素の使い方を5章で説明します。画面を指でタッチしたり、デバイスをシェイクしたりするイベントが発生します。このイベントを処理する方法を6章で説明します。XcodeではiPhone/iPadアプリを作るための基本となるアプリケーションを7種類用意しています。各アプリケーションの作り方を7章で説明します。画面(ビュー)遷移はStoryboardのセグエ(segue)という機能を使うと簡単に2つの画面の接続関係を作ることができます。いろいろな画面(ビュー)遷移の方法を8章で説明します。通知センターと通知、タイマー、遅延実行、マルチタスクとバックグランド処理などのアプリケーションの制御に関する内容を9章で説明します。ということで、本書は次のような章の構成となります。
1章 XcodeでのiPhone/iPadアプリの開発法
2章 グラフィックスを用いたObjective-C入門
3章 Objective-Cの文法
4章 iOSが提供する基本データクラス
5章 ユーザインターフェース要素(UI要素)
6章 イベント処理
7章 アプリケーションの種類
8章 画面(ビュー)遷移
9章 アプリケーションの制御


iPhone&iPadプログラミングBible【下】(発売中)

iPhone&iPadプログラミングBible【下】

「下」は「上」で説明したiPhone/iPadプログラミングに関する基礎的内容をベースにして、iPhone/iPadでできる各種処理について10章~19章で説明します。 最初に10章で、自身のアプリケーションに割り当てられるホームデイレクトリに対するファイル処理に関して説明します。iOSには、「Core Gracphics」ライブラリというものが標準で組み込まれています。「2章 グラフィックスを用いたObjective-C入門」でグラフィックスについては既に扱っていますが、11章で「Core Gracphics」ライブラリについて系統的に説明します。12章で、2次元・3次元コンピュータグラフィックス両方が扱えるOpenGLにつぃて説明します。13章で、MKMapViewクラスを使用したマップ処理の方法を説明します。14章で、AVAudioPlayerクラスを使ったオーディオファイルのを録音、再生方法を説明します。15章で、MPMoviePlayerControllerクラスまたはMPMoviePlayerViewControllerクラスを使った動画ファイルの再生方法を説明します。16章で、加速度センサー、近接センサー、環境光(輝度)センサー、ジャイロセンサー、磁気センサーなどのセンサーの使い方を説明します。17章で、カメラによる静止画と動画の撮影方法について説明します。iPhoneのメールには、SMS、MMS、Eメール(i)、一般のEメールの4種類があります。18章で、Eメール(i)/一般のEメールを使ってメール送信する方法を説明します。19章で、iPhoneを使って通信を行う方法を説明します。20章~22章はiPhone/iPadに関する技術的な内容ということでなく、iPhone/iPad用アプリを作る上でのヒントになるプログラミングテクニックについて説明します。ということで、本書は次のような章の構成となります。
10章 ファイル処理
11章 グラフィックス
12章 OpenGL
13章 マップ
14章 オーディオ
15章 ムービー(動画)
16章 センサー
17章 カメラ
18章 メール
19章 通信
20章 リバーシー
21章 再帰を用いたゲーム
22章 実用アプリ


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Objective-Cについて

Stepstone社のB.J.コックスが1983年に開発したオブジェクト指向言語。CにSmalltalk80が持つオブジェクト指向の機能を取り込んだもの。Javaに比べメージャーな言語とはいえませんでしたが、MacOS XおよびiOSにおける開発言語として採用され、最近は注目を集めています。
制御文、演算子、プリミティブデータ型といった基本的な言語仕様はC言語と同じです。Objective-Cに特有の部分は、@で始まるコンパイラディレクティブや、オブジェクトのメソッド呼び出しは[]で囲まれたメッセージ式で行われるなどの点です。
著者のC言語関連の著書
パソコンユーザのためのCプログラミング技法(1985年、ナツメ社)
Cプログラミングノート(1985年、ナツメ社)
C標準ライブラリ関数(1986年、ナツメ社) MicrosoftC初級プログラミング入門(1986年、技術評論社)
MicrosoftC初級実践プログラミング入門(1987年、技術評論社)
Cプログラミング入門(1987年、ナツメ社)
TURBO C初級プログラミング上(1987年、技術評論社)
TURBO C初級プログラミング下(1988年、技術評論社)
最新はじめてのTURBO C(1988年、技術評論社)
改訂Ver.2.0版最新はじめてのTURBO CⅡ(1988年、技術評論社)
C言語用語ハンドブック(1989年、ナツメ社)
改訂Ver.2.0版TURBO C初級プログラミング上(1989年、技術評論社)
改訂Ver.2.0版TURBO C初級プログラミング下(1989年、技術評論社)
Microsoft LanguageシリーズVer.5.1 MicrosoftC初級プログラミング入門「上」(1989年、技術評論社)
Microsoft LanguageシリーズVer.5.1 MicrosoftC初級プログラミング入門「下」(1989年、技術評論社)
入門ソフトウエアシリーズC言語(1990年、ナツメ社)
Microsoft LanguageシリーズVer.2.0 QuickC初級プログラミング入門「上」(1991年、技術評論社)
Microsoft LanguageシリーズVer.2.0 QuickC初級プログラミング入門「下」(1991年、技術評論社)
C言語によるはじめてのアルゴリズム入門(1992年、技術評論社)
入門ソフトウエアシリーズC++(1992年、ナツメ社)
Cプログラミングの非常識(1992年、技術評論社)
Cプログラミングの定石(1993年、技術評論社)
Cプログラミング技法(1993年、ナツメ社)
Microsoft LanguageシリーズVer.6.0 MicrosoftC初級プログラミング入門「上」(1993年、技術評論社)
Microsoft LanguageシリーズVer.6.0 MicrosoftC初級プログラミング入門「下」(1994年、技術評論社)
Microsoft LanguageシリーズMicrosoftVer.2.0 Visual C++初級プログラミング入門「上」(1997年、技術評論社)
Microsoft LanguageシリーズMicrosoftVer.2.0 Visual C++初級プログラミング入門「下」(1997年、技術評論社)
New Languageシリーズ標準VisualC++プログラミングブック(2000年、技術評論社)
改訂C言語によるはじめてのアルゴリズム入門(2001年、技術評論社)
はじめてのVisualC#.NET(2003年、ナツメ社)
C言語用語辞典(2004年、ナツメ社)
原理がわかるプログラムの法則(2005年、技術評論社)
プログラムの最初の壁(2006年、技術評論社)
河西メソッドC言語プログラム学習の方程式(2007年、技術評論社)
基礎から学べるC言語標準コースウエア(2008年、技術評論社)
なぞりがきC言語学習ドリル(2008年、技術評論社)
改訂第3版C言語によるはじめてのアルゴリズム入門(2008年、技術評論社)
C言語標準ライブラリ関数ポケットリファレンス(2009年、技術評論社)
C言語標準文法ポケットリファレンス(2011年、技術評論社)
「標準」C言語重要用語解説ANSI C/ISO C99対応(2012年、技術評論社)